「あら、こし――」 「ごめんお姉ちゃん、急いでるの。おやすみ」 ばったり会い、声をかけようとしたところで、まるで逃げるように走り去るこいし。 ここ数日、そんな出来事が続いていて。
「……嫌われてしまったのかしら」 ここ数日一切考えないようにしてきたこと。 それを今、いい加減不安に耐えきれずに言葉に出してしまう。 そして、言葉にしてしまうとその不安はどんどんと止まらなくなってしまって。
「……どうしよう」